こんにちは!元地方公務員のくろまるです。
転職するということは誰にとっても不安がつきものですよね。
公務員への転職を考えている方にとってもそれば同様だと思います。
本記事では公務員に転職した際のデメリットや実際に私が公務員になって感じた後悔などを紹介していきたいと思います。
公務員への転職をおすすめしない6つの理由
サービス残業や休日出勤が意外と多い
公務員の残業事情
「公務員は毎日定時帰りなんでしょ?」
「たまに残業してもその分はしっかり残業代出るからいいよね~。」
なんて思っていませんか?
確かに出先機関なんかはほぼ毎日定時帰りで仕事の内容もそれほどハードではないところもあります。
しかし部署によっては残業どころかサービス残業をかなりの時間やっているところもけっこうあります。特に本庁勤務になるとだいたい長時間の残業が待っています。
もしあなたが深夜に市役所や県庁の庁舎の前を通りかかる機会があったらぜひ見てください。終電の時間を過ぎた後でもたいていどこかの部屋は明かりがついていると思いますよ。
「働き改革で残業時間は減ってるんじゃないの?」
そう思う人もいると思います。たしかに働き方改革で残業を減らそうという風潮はできつつあると思います。
自治体によっては例えばこんなルールがあったりします。
- 水曜日は定時に帰る日として設定
- 1日の残業は午後10時まで
- 1か月の残業の上限は45時間まで
でもこれって結局根本的な解決にはなっていませんよね。
そう、業務量は減ってないんです!業務量は減ってないんです!!
公共サービスってそう簡単に減らせるものではなくて、かといってこのご時世人員を増やす余裕なんてありません。
理想は業務を効率化して、働く時間を減らすことですが、そういった体制が整う前に残業時間だけを減らすのは無理があります。
「残業時間が減って、業務量は変わらない」ってことはサービス残業が増えるってことで、言ってみればただ給料が減るだけなんですよね。
休日出勤もそれなりにある
休日出勤も結局は部署によってということになりますが、それなりにはあります。
例えば
- 自治体主催で行う休日のイベント
- 台風や地震などの非常事態
- 通常業務が終わらない
などなど。
上の2つは業務の一環かつその日にやらなければならないことなので、代休がもらえます。
一方で通常業務が終わらず自主的に休日出勤する場合は基本的にサービス残業です。
大義名分なく休日出勤を認めることはできないのです。
「公務員だから残業はほとんどない」と思って、そのまま公務員になると痛い目をみるかもしれません。
給料は決して高くない
総務省が行っている地方公務員給与実態調査によると、平成30年度の公務員の一般行政職の平均給与は以下のとおりです。
地方公務員 国家公務員 平均給与月額 362,973円 410,940円 うち給料 318,639円 329,845円 うち諸手当 22,334円 81,095円 平均年齢 42.2歳 43.5歳 出典:総務省HP(平成30年地方公務員給与実態調査結果等の概要)
一方で民間企業の場合は、以下の調査結果にようになっています。
正規 非正規 1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与 5,035,000円 1,790,000円 平均年齢 46.4歳 出典:国税庁HP(平成30年分民間給与実態統計調査結果について)
一月あたりに直すと 正規:419,583円 非正規:149,167円 となります。
両者を比較しても、公務員の給料は決して高くありませんよね。せいぜい可もなく不可もなくといったところでしょうか。
公務員の給与体系については別記事で詳しく解説予定です。
顧客を選べない
公務員は基本的に住民すべてがサービスの対象なので、どんな人であってもある程度誠実に話を聴き、対応することが求められます。
「ある程度」と書いたのは、度を越えて負担を求めてくるような人に対しては通常の業務を優先するため、対応を打ち切ることもあるからです。
例えば、毎日電話をかけてきて公務員批判を延々と1時間以上する人や、窓口で叫んだり暴れたりするようなケースは途中で電話を切ったり、警察に対応を任せたりすることもあります。
しかし、そこまでではなくともけっこうヤバめな人の対応は日常茶飯事です。
民間企業であれば企業の方針や商品の価格帯などで顧客の層をある程度絞ることはできますよね(業種にもよりますが・・・)。
公務員はそうはいかないのです。
感謝はされることは少なく批判されることは多い
行政サービスは「あって当たり前のもの」という認識の人が多いので、感謝されることは少なく、その一方で批判されることはけっこうあります。
仕事によっては、そもそも住民と接する機会が全くなかったり、住民と接するにしても嫌な役回りだったりすることもあります。
例えば、税金を徴収することも公務員の仕事の一つです。税金を納めていない人に電話や手紙で催告をし、納付するよう促します。ものすごく嫌われそうな仕事ですよね。
税金から給料をもらっているということも公務員が批判されやすい要因の一つです。
「1日机に座っているだけで、税金で飯が食えるんだからいいな」
毎日サービス残業しながら必死に働いていてもこんなことを言われたり、
「おれが払った税金を下らないことに使うな」
税金を滞納している人にこんなことを言われたり
「公務員にはわからないと思うけど・・・」「暇な公務員が・・・」
決めつけで批判されることも多々あります。
書いててつらくなってきました・・・ 笑
スキルアップが難しい
公務員をしていて思うことはスキルアップが難しいということです。
スキルアップとは専門知識やスキルを身に着けることで、転職市場での自分の価値を上げることです。
公務員の仕事は事務作業なうえ、身につく知識は内部的な規則・慣習による部分が多いです。また、短い期間で職場を異動することも多く、専門性が身に付きづらいということも特徴の一つです。
こういった人材を欲しがる企業は果たしてどれほどあるでしょうか。
公務員として身につくスキル
では、公務員をやっていて身に付くスキルとはどういったものでしょうか。
- 難しい法律を短時間で理解して説明する
- 公文書を作成する・公文書の内容を理解する
- 制度の概要をわかりやすく資料にまとめる
- 色々な立場の人の主張をまとめできるだけ皆が納得できる制度を設計する
こんなところですかね。
どれも重要なスキルですが、形として見えづらく、履歴書に書くことは難しいものが多いです。
仕事効率化が容易ではない
今の世の中には便利なツールがたくさんありますよね。
ガジェットやアプリ、ウェブ上のクラウドサービスだったり。
自治体がそうしたツールやサービスを利用することは容易ではありません。
- セキュリティの問題
- 予算の問題
- 上司の理解の問題
などの壁があり、導入するのにかなりの時間がかかってしまいます。
また部署の異動が多いことも業務改善が難しい要因の一つとなっています。
自分の業務について「新しいことを覚えるので精いっぱいで改善まで手が回らない」、「すぐに異動するから今の業務を頑張って改善したところで恩恵を受けられない」こう思っている公務員は多いはずです。
副業が禁止
以下のいずれにも該当していること。
(1) 勤務時間外、週休日及び休日の活動であり、職務の遂行に支障を来たすおそ
れがないこと。
(2) 地方公務員法第33条に規定する信用失墜行為の発生のおそれがないこと。
(3) 活動先の団体等と生駒市との間に特別な利害関係が生じるおそれがなく、か
つ特定の利益に偏することなく、職務の公正の確保を損なうおそれがないこと。
(4) 報酬は、地域貢献活動として許容できる範囲であること。
(5) 市内外の地域の発展、活性化に寄与する活動であること。
(6) 営利を主目的とした活動、宗教的活動、政治的活動、法令に反する活動でな
いこと。出典:生駒市HP(地域貢献活動を行う職員の営利企業等の従事制限の運用について)
まとめ
公務員への転職をおすすめしない理由をまとめると以下の6つです。
- サービス残業や休日出勤が意外と多い
- 給料は決して高くない
- 顧客を選べない
- スキルアップが難しい
- 仕事効率化が容易ではない
- 副業が禁止
本当にやりたいことがあって公務員になるのであればいいですが、安易に「公務員は楽」「安定している」というイメージだけで公務員になれば苦しむのは自分自身です。
公務員への転職を検討している方は、一度立ち止まって本当にやりたいことはなんなのかを考えてみるべきだと思います。
この記事が少しでもその助けになれば幸いです。ではまた!