公務員の実情

【公務員の残業事情】毎日定時はありえません

残業

こんにちは。当ブログにお越しいただきありがとうございます。

 

この記事では公務員の残業事情について紹介していきます。

この記事で解決できる悩み

公務員の残業時間はどのぐらい?

公務員って残業代は満額出るの?

 

結論から言うと地方公務員は平均で月10~15時間程度の残業をしています。

そして残業代は基本的には満額でます。

 

その程度の残業時間で、残業代も満額出るならかなりホワイトな職場に見えますよね。

ですが、部署によってはまったく事情が異なります。部署ごと・人ごとに忙しさが違いすぎるのが公務員の特徴です。

忙しい部署では残業が月100時間を越えるなんてことも普通にありますし、暇な部署は毎日定時で帰ってます。

残業代については「月45時間までは残業代が出る」という自治体が多いです。

まあ、恐ろしいことに、規模の大きい県庁や市役所なんかだと、残業代が出るか出ないかも部署によって違うということもあったりしますが・・・

以下もう少し掘り下げていきたいと思います。

 

データでみる公務員の残業時間

出典:総務省HP(地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果の公表)

上のデータは総務省が公開している地方公務員の時間外勤務の時間数つまり残業時間になります。これによると地方公務員は平均で月13.2時間、年間158.4時間の残業をしているということになります。

「月13.2時間しか残業ないなんて余裕じゃん」って思ったそこのあなた!表面上の数字に騙されてはいけません。断言しますがこんなに残業が少ないと思っていると実際に入ったときに痛い目みます。

なぜなら残業時間には上限規制があるからです。

2019年4月から働き改革関連法が改正され、民間企業の時間外労働の上限が原則月45時間(年間360時間)までとなりました(中小企業は2020年4月から)。

公務員がこの法律に縛られることはありませんが、基本的にはこれに準じており、人事院規則が改正されるなど月45時間までのラインは守られるようになっています。あくまでも「制度上」です。

言ってしまえば

Aさんは実際には月100時間残業しているが申請上は45時間の残業

Bさんは実際の残業時間も申請上の残業時間も月15時間

Cさんは毎日定時に帰っており、残業は0時間

というような状況が普通に発生しています。

この3人の平均残業時間は申請上は月20時間なので集計の際も20時間として処理されますが、本当はAさんのサービス残業を含めて月約38時間ということになります。

 

ではどうしてこのようなことが起きてしまうのか、実際にどういった運用がなされているのか見ていきましょう。

 

 

ブラックな部署の実態

1 月に一定の時間を超える残業をする職員は所属の上司との面談がある

2 45時間を超える残業をする場合は理由を申請する必要がある

3 個人単位で仕事が割り振られているため、他の人に仕事を振りづらい

4 短時間の残業は申請しない風潮がある

5 時間外勤務手当が一定額で予算化されている

全ての自治体が同じようにやっているわけではありませんが、私が知っている複数の自治体で上にあげたような運用がされています。

月に一定の時間を超える残業をする職員は所属の上司との面談がある

月に45時間以上であったり、60時間以上であったり一定のラインを超えると所属の上司と面談しなければならないというルールが設けられている場合があります。

しかもこの上司というのがそこそこなお偉いさんであることが多いです。例えば部長とか。

係長や課長は部下に残業させすぎると、さらに上の上司である部長に、該当の部下との面談をお願いしなければならない上に、自身の評価も下がってしまうため、部下が45時間以上の残業をすることを嫌がります

そこで事務の分担を見直し、負担を平準化してくれる上司であればいいのですが、それもせずただ残業を減らせと言ってくるだけの上司も存在します。

こうなってしまうと、部下としては直属の上司と軋轢を生むのは避けたいし、部長との面談はめんどくさいので、仮に残業をもっとやっていたとしても45時間までしか申請しないといったことが起こりえるのです。

 

45時間を超える残業をする場合は理由を申請する必要がある

残業するだけでもひと手間かけなければならないという悲しさよ。

上司がめんどくさい人だと「それってどうしても今日やらないといけないことなの?」とか聞いてくる場合もあるので、理由を考えるのも一苦労です。

もうめんどくさいから申請はせず仕事だけ片付けて、残業は申請せず帰るといった人も多いです。

 

個人単位で仕事が割り振られているため、他の人に仕事を振りづらい

公務員で特に本庁勤務の人は、個人単位で仕事が割り振られている場合が多く、「隣の席の人がやっている仕事のことすらよくわからない」という状態もざらです。

そのため、自分の仕事を別の人に振ろうと思うと、①仕事を切り分けて、②やり方を教え、③事後確認をするという3ステップが必要になります。

本当に忙しいときはその準備をする時間すらなく、人に仕事を振ることができないという状態に陥ってしまいます。

短時間の残業は申請しない風潮がある

私が働いていた役所では、残業をつけるのは「終業後2時間以上残業した場合のみという謎ルールがありました。そのため、朝少し早くきて仕事をしたり、終業後1時間程度残って仕事をした場合は、サービス残業でした。

民間企業に就職した友人は、入社1年目に始業時間より30分早くきて、会社の駐車場を掃除するという役割があったそうですが、その30分ですら時間外勤務として申請するように会社から指示されていたらしくギャップに驚きました。

時間外勤務手当が一定額で予算化されている

公務員の時間外手当は人件費に含まれており、人件費は予算が決まっています。当然予算を超過して執行することはご法度ですから、残業代には上限があるということになります。

さらに、規模の大きな自治体は部局ごとに人件費の予算を計上しています。

そのため、お金のある部局は残業を満額申請できますが、お金のない部局は予算が足りなくなってくると残業の申請を止めるよう指示がでます。

当然ですが仕事が減るわけではありません。

 

公務員の残業事情 まとめ

基本的には残業は月10~15時間、残業代は満額支給。

ただし、ブラックな部署はサービス残業当たり前。

月100時間を超える残業や休日出勤もある。

公務員になったら部署ガチャは避けては通れません。しかも、忙しい部署を経験した人は、それなりに仕事ができればずっと忙しい部署に縛られ続ける傾向にあります。

公務員は毎日定時帰りだと思っていると痛い目見ることになるかもしれませんね。